神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

天才仏師 快慶の大好仏 その2

奈良国立博物館で4月8日から始まる「快慶展」との勝手にコラボ企画「快慶の大好仏 その2」です。快慶作の仏像で私が好きな作品を紹介します。

 

国宝 阿弥陀三尊立像

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▲左から、勢至菩薩阿弥陀如来観音菩薩の三尊。左が観音菩薩、右が勢至菩薩が一般的だが、浄土寺は左右逆である。  出典 講談社「日本の仏像」

浄土寺(兵庫県小野市)の本尊です。阿弥陀三尊像とは、阿弥陀如来を真ん中し観音菩薩勢至菩薩が両脇を固める仏像のことです。観音菩薩は単独で祀られることが多いですが、実は阿弥陀様の脇侍(わきじ)なのです。

阿弥陀像は丈六(一丈六尺、約5m)の大きな仏像です。両脇侍も約4mあり、国宝の浄土堂に安置されています。

 

黄昏時がゴールデンタイム

この阿弥陀三尊は夕暮れ時に参拝するのがベストです。三尊は東を向いて立っておられるので、夕暮れになるとお堂に差し込む夕日が仏像を包み込み、参拝者は来迎の擬似体験ができます。

 

後姿も輝いています

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▲出典 講談社「日本の仏像」

阿弥陀三尊はお堂の中央にある須弥壇(しゅみだん)立っておられるので、後姿も見ることができます。夕日に照らされた背中は金色に輝いているでしょう。阿弥陀様が乗っている雲がしっぽのように立ち上がっています。

 

重要文化財 四天王立像 

 高野山霊宝館に安置されています。四天王は須弥山(しゅみせん)頂上に住んでいる帝釈天(たいしゃくてん)の輩下として、この山の四方の中腹にある門を守護している神です。持国天(じこくてん)・増長天(ぞうちょうてん)・広目天(こうもくてん)・多聞天(たもんてん)の四人です。もとは古代インドの神です。

 

顔がいい!

四天王は悪者から仏法を守護しているので憤怒相といって怖い顔しています。しかし、そのお顔が整ってとてもよいのです。

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広目天 出典 「快慶展」ポスター

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多聞天  出典 講談社「日本の仏像」

 

バランスが素晴らしい!

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広目天  出典 講談社「日本の仏像」

四天王はもちろん実在しませんが、全体のバランスがとても素晴らしいです。特に広目天のプロポーションと安定感は架空のものとは思えないリアリティがあります。

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持国天

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増長天  共に出典 講談社「日本の仏像」

高野山霊宝館には他にも快慶仏がありますし、運慶の仏像もあるので、とてもオススメです。高野山参拝の際には是非立ち寄ってください。

 

次回は、私の好きな運慶仏を紹介します。

 

 

 

天才仏師 快慶の大好仏 その1

4月に奈良国立博物館で「特別展 快慶」、9月に東京国立博物館で「運慶展」が開催されるのを記念し、勝手にコラボ企画を行います。

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快慶、運慶とは誰?と思われた方もいらっしゃると思うので、簡単に紹介します。
鎌倉時代に一大勢力を誇った仏師集団の慶派。その中心人物が快慶と運慶です。仏師とは仏像を彫る人です。有名な作品は東大寺南大門の金剛力士像です。歴史の教科書には必ず出てきます。人物の解説はウィキペディアなどに詳しく紹介されているので割愛します。ここでは、彼らの作品の中て私の大好仏を紹介します。
まずは快慶の作品です。

 

国宝 渡海文殊

安倍文殊院(奈良県桜井市)の本尊です。獅子に乗った文殊菩薩が眷属(けんぞく)の善財童子・優填王(うでんおう)・仏陀波利(ぶつだはり)・最勝老人を従え、雲海を渡り中国の五台山に向かう姿です。5体が国宝です。

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▲国宝 文殊菩薩 出典 講談社「日本の仏像」

快慶の仏像はイケメンが多いです。文殊菩薩も端正なお顔です。智慧の仏ですが、降魔の利剣を持ち獅子にまたがる姿はとても凛々しいです。

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▲獅子 出典 講談社「日本の仏像」

それに対して獅子は斜めを向き少しとぼけたような愛嬌のある表情です。残念ながら獅子だけ国宝ではありません、

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▲国宝 善財童子 出典 講談社「日本の仏像」

善財童子もいい味をだしています。先を急いで焦っているのでしょうか?文殊菩薩に呼び止められ「何でしょうか?」と振り向いているようです。

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▲国宝 優填王(うでんおう)出典 講談社「日本の仏像」

優填王は強面ですが、劇画チックな表情に親しみを感じます。

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▲国宝 維摩居士(ゆいまこじ)(または最勝老人) 出典 安倍文殊院HP

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▲国宝 仏陀波利三蔵立像(ぶつだはりさんぞうりゅうぞう)(または須菩提) 出典 安倍文殊院HP

 

重文 弥勒菩薩坐像

醍醐寺三宝院(京都市伏見区)の本尊です。

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▲出典 「醍醐寺のすべて」展チラシ

醍醐寺弥勒菩薩はとてもイケメンです。宝冠、胸飾などの装飾がとても似合います。唇に赤い塗料が残り若々しく感じます。金泥も像全体に残っており、落ち着いた感じで輝いています。

弥勒菩薩は、釈迦入滅後56億7千万何後に悟りを開き如来になり衆生を救う未来仏です。とてつもない遠い未来ですね。

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▲出典 講談社「日本の仏像」

次回は阿弥陀仏や四天王などを紹介しようと思います。

京阪電車でGO! 仏像巡りの旅 最終回

いよいよこの企画も最終回の終点宇治駅に到着です。

京阪宇治駅の目の前にある宇治橋を渡り、約10分で平等院に着きます。宇治橋は日本最古の橋のひとつです。橋の上から見る宇治川の眺めはいつも爽やかです。

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橋を渡り左に曲がると参道です。両脇には宇治茶を販売するお店がたくさん並んでいます。わたしは抹茶ソフトかスイーツを必ず食べます。3分ほどで平等院の入口です。

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平等院仏像鑑賞ポイント

平等院の仏像を鑑賞するポイントは3つです。

  • 鳳凰堂を堪能せよ
  • 内部拝観は最後まで粘れ
  • 鳳翔館で細部を見よ

 

鳳凰堂を堪能せよ

▲国宝 平等院鳳凰堂

お目当は阿弥陀仏なので、入場したら最初に鳳凰堂内部拝観のチケット(¥300)を買います。拝観時間まで時間があるので、池の周りを散策しながら鳳凰堂をたっぷり堪能しましょう。池越しに見る鳳凰堂の眺めはとても美しく、いにしえの日本人が想像していた極楽浄土です。死んだつもりで鑑賞しましょう(笑)

平成の大修理のおかげで建物の朱色が鮮やかになり、屋根の鳳凰も金ピカで創建当時の姿に戻っています。

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▲鳳凰 レプリカです。オリジナルは鳳翔館に展示されています。

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初夏には藤の花が綺麗です。秋には紅葉も楽しめます。

 

内部拝観は最後まで粘れ

内部拝観の5分ほど前に受付場所に戻ります。諸注意を聞いて、池に掛かる橋を渡り鳳凰堂内部に入ります。

案内嬢が鳳凰堂や阿弥陀如来について解説してくれます。解説が終わると自由見学ですが、お堂の中は広くないので10分ほどするとみなさん帰り始めます。ここで、最後まで粘ります!するとお堂には案内嬢と2人きりです。その後は…

ではなく、阿弥陀様をほぼ独り占めできるのです。お堂の壁面には雲中供養菩薩もいますよ。周りは全て国宝です。世界遺産でもあります。こんな贅沢なことがあるでしょうか。雲中供養菩薩の奏でる音楽を想像しながら、静かに阿弥陀様と対峙します。そして、お迎えのときを夢想しましょう。ほとんど臨死体験です(笑)

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▲国宝 阿弥陀如来坐像 出典 平等院HP 

鳳翔館で細部を観よ

鳳凰堂であの世へ行ったあと、貴重な宝物が展示されている鳳翔館へ向かいます。

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仏像マニアとしては雲中供養菩薩の展示室へ一直線です。鳳凰堂の壁面には本来は52躯の菩薩がありますが、現在半分の26躯が鳳翔館に展示されています。お堂では高いところに飾られているので、細かい部分が分かりませんが、鳳翔館ではガラス越しに間近で鑑賞することができます。

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▲国宝 雲中供養菩薩 南20号

華麗な舞です。

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▲南24号

口元を見ると歌っています。

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▲北25号 

イケメンだと思います。

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▲南6号

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▲南1号

色々な楽器を演奏しています。約千年前の像ですが、豊富な種類に驚きです。全てポストカードから引用。

 

像高は30cmほどですが、生き生きとした動きと細かい細工が素晴らしいですよ。家に持って帰りたいです。

売店には雲中供養菩薩のトランプが販売されています。

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▲出典 平等院HP

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▲御朱印 鳳凰堂の文字と鳳凰のイラスト入りの朱色ですね。

 

これで、京阪電車でGOシリーズも無事終了です。また、新しい企画を楽しみにしてください。

 

口から飛び出る阿弥陀仏 六波羅蜜寺の空也上人像

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▲重文  本堂

金戒光明寺を参拝した後、六波羅蜜寺へ向かいました。

 

六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)

真言宗智山派西国三十三所 第十七番のお寺です。天暦5年(951)醍醐天皇第二皇子光勝空也上人により開創されました。上人はつねに市民の中にあって伝道に励んだので、人々から「市の聖(いちのひじり)」と呼ばれていました。

また、平安時代に念仏を始めて「念仏の祖」と言われています。

 

空也上人立像

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▲重文 空也上人立像   出典 講談社「日本の仏像」

運慶の四男康勝の作です。胸に金鼓(こんく)を、右手に撞木(しゅもく)を、左手に鹿の角の杖をつき、念仏を唱える口から六体の阿弥陀が現れたという伝承を表現しています。六体で「南無阿弥陀仏」の六文字です。

初めて見たときは口から何か出てる( ゚д゚)⁈と驚きました。見た目のインパクトがすごいです。しかし、それ以上にリアリティのある造形に感銘を受けます。今にも動き出しそうです。

宝物館に安置されています。宝物館には空也上人以外にたくさんの仏像が安置されているので必見です。主なものを紹介します。

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▲重文 平清盛坐像   出典 講談社「日本の仏像」

一門の武運長久を祈願し、朱の中へ血を点じて写経した頃の太政大臣浄海入道清盛公の像です。経典は厳島神社へ奉納しています。

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▲重文 運慶坐像  出典 講談社「日本の仏像」

大仏師運慶の像です。

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▲重文 湛慶坐像   出典 講談社「日本の仏像」

湛慶は運慶の長子です。彼も素晴らしい仏師です。代表作は三十三間堂の千手観音像などがあります。

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▲重文 地蔵菩薩坐像  出典 講談社「日本の仏像」

運慶作の地蔵菩薩です。

本堂には国宝の十一面観音立像が安置されていますが、12年に一度辰年に公開される秘仏なので、今回拝観することはかないませんでした。

 

七福神 弁財天

 六波羅蜜寺は都七福神めぐりの弁財天もあります。お正月の時期に新春巡拝があり、各社寺にて御軸・大護符(色紙)・御宝印帖が用意されています。私が参拝したときも多くの方が色紙に御朱印をいただいていました。

詳しくはこちらのHPをご覧ください。

日本最古 都七福神 - トップページ

京都観光Navi:都七福神

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▲御朱印 弁財天をいただきました。

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▲十一面観音像と本堂

京都で初詣 金戒光明寺編

お正月、約3カ月ぶりに京都へ行ったのでその報告です。京阪電車でGO!シリーズで紹介した金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)を訪れました。参拝するのは初めてです。

京阪電車でGO! 仏像巡りの旅 その一 - 神仏欲な日々 

 

浄土宗総本山・くろ谷 金戒光明寺

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▲御影堂

浄土宗最初のお寺。開祖法然上人(ほうねんじょうにん)が草庵を結んだ地に建てられました。境内には18の塔頭寺院があるとても大きなお寺です。

幕末には京都守護職会津藩の本陣があったことで有名です。新選組はここで生まれました。

大河ドラマ「八重の桜」の会津藩松平容保(かたもり)役の綾野剛は良かったですよね。

地元の方は"くろ谷さん"と呼んでいるそうです。

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京都守護職本陣看板

 

文殊菩薩(渡海文殊形式)

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文殊菩薩  出典 講談社「日本の仏像」

御影堂に安置されています。三重塔にあったのを移したそうです。元は近くにあった中山宝幢寺(ほうどうじ)の本尊です。応仁の乱の兵火により廃寺となりこちらに移されました。なので中山文殊と呼ばれています。

貞享三年(1686)刊の『雍州府誌』には「本朝三文殊の一つなり」とあり、奈良の「安倍の文殊天橋立の「切戸の文殊」と共に信仰を集めていました。

三大文殊には諸説あり、安倍文殊、切戸文殊は固定ですが、第三の文殊は中山の他に山形の亀岡文殊があります。

渡海文殊形式とは、獅子騎乗の文殊菩薩が眷属(けんぞく)として善財童子・優填王(うでんおう)・仏陀波利(ぶつだはり)・最勝老人を従え、海を渡って五台山に向かう姿を表す仏像です。なお、五台山は中国の山西省に実在し、文殊菩薩の聖地です。世界遺産に登録されています。

寺伝では運慶作となっていますが、間近で拝んだ印象と重文指定もないことから、おそらく違うと思います。慶派仏師の作品なのは間違いないと思いますが。

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▲三重塔

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▲御朱印 「中山文殊

 

五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏

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通称アフロ仏と呼ばれる、珍しい仏様です。ファンキー髪型とは掛け離れた幼子のような可愛いお顔をしています。伽藍から高台にある三重塔へ向かう階段の脇に佇んでおられます。うっかりすると通り過ぎてしまうので気をつけましょう。

お寺のHPにわかりやすい説明があったので、引用します。

五劫思惟(ごこうしゆい)の阿弥陀仏は、通常の阿弥陀仏と違い頭髪(螺髪(らほつ))がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。

無量寿経」によりますと、阿弥陀仏法蔵菩薩の時、もろもろの衆生を救わんと五劫の間ただひたすら思惟をこらし四十八願をたて、修行をされ阿弥陀仏となられたとあり、五劫思惟された時のお姿をあらわしたものです。
五劫とは時の長さで一劫が五つということです。一劫とは「四十里立方(約160km)の大岩に天女が三年(百年という説もある)に一度舞い降りて羽衣で撫で、その岩が無くなるまでの長い時間」のことで、五劫はさらにその5倍ということになります。そのような気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子を表したのが五劫思惟阿弥陀仏で、全国でも16体ほどしかみられないという珍しいお姿です。
落語の「寿限無寿限無、五劫のすり切れ」はここからきています。

有名なのは東大寺 勧進所 阿弥陀堂の像と奈良 五劫院の像です

あー奈良にしばらく行っていないので、暖かくなったら行きたいなぁ。

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▲山門

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阿弥陀堂

2017年は快慶展と運慶展が超おすすめです❗️

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今春、奈良国立博物館で慶派の大仏師快慶の展覧会が開催されます。運慶と並び慶派をリードした快慶の作品が一堂に展示されます。仏像ファン必見の展覧会ですが、そうでない方、このブログを見てくださった方はぜひ奈良まで足を運んでご覧ください。

特別展「快慶」

2017年4月8日(土)〜6月4日(日)

奈良国立博物館

快慶|奈良国立博物館

 

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更に、秋には東京国立博物館で運慶の展覧会も開催です。ポスターだけでもテンションMAXです(//∇//)

父 康慶や息子 湛慶(たんけい)の作品も展示されるようです。親子3代の作品を見比べるのもまた格別だと思います。

運慶 -興福寺中金堂再建記念特別展-
2017年9月26日(火)~11月26日(日)
東京国立博物館 平成館(上野公園)

東京国立博物館 - 展示 特別展

 

 

京坂電車でGO! 仏像巡りの旅その6

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このシリーズも6回目になります。

伝えたいことがたくさんあり大変ですが、終点の宇治駅まで頑張ります。

 

京坂黄檗駅(おうばくえき)

今回はこちらで途中下車します。

 

黄檗宗 大本山 萬福寺(まんぷくじ)

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▲大雄宝殿(だいおうほうでん)

【アクセス】

京阪黄檗駅から徒歩5分

 

萬福寺は1661年に中国僧 隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師 によって開創された新しいお寺です。
禅師は中国明朝時代の臨済宗を代表する僧で、中国福建省黄檗萬福寺の住職でした。1654年63歳で来日しました。
幕府の政策等により、宗派を黄檗宗と改宗。日本でいう「禅宗」は、臨済宗曹洞宗黄檗宗の三宗に分類されています。

 

すべてが明朝様式

このお寺の最大の魅力は、すべてが中国の明朝様式であることです。建物、仏像、伽藍すべてが中国様式なので物珍しくワクワクします。

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▲総門

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▲ 香炉

長〜いお線香を焚きます。

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▲開版(かいぱん)

時を知らせる法具。木魚の原形となっているものです。

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▲このように時を知らせます。

 

明朝様式の仏像

明の仏師 范道生(はんどうせい)制作の仏像は本物の明朝様式です。

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弥勒菩薩(布袋)坐像

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▲韋駄天立像

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多聞天立像

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▲十八羅漢像の一部

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▲羅睺羅尊者(らごらそんじゃ)坐像

お腹から仏の顔がのぞいている姿は、すべての人に仏性、すなわち仏になれる可能性が具わっていることを表現しています。

このお寺は撮影自由な場所が多く、仏像はすべて撮影できました。

 

普茶料理という中国式精進料理が食べられるので、時間のある方はぜひどうぞ。(私は食べていませんが^^;) 

次回はいよいよ終点の宇治駅です。