神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

新元号記念寺社仏閣ツアー

元号「令和」が決まりましたね。世間やネットの予想を良い意味で裏切る、素晴らしい元号だと思いました。

 

そこで、令和の聖地である太宰府の寺社仏閣ツアーを考えてみました。

 

本八幡

令和由来の「梅花の歌」が詠まれた、大友旅人邸跡地とされる場所にあります。

マスコミでたくさん報道されていますので、詳しい説明は割愛します。

八幡宮ですので、御祭神は応神天皇です。

 

大宰府政庁跡

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大宰府政庁跡  出典 太宰府観光協会HP

 

本八幡宮のすぐ南東に位置します。

大宰府は、7世紀後半九州全体を治める役所でした。

日本の西の守りとし防衛を、また外国との交渉の窓口として重要な役割を果たしてきました。

現在は遺構を保存した広場になっています。

 

太宰府市大宰府、"だい"の字に違いがあるのに初めて気がつきました。

 

「梅花の宴」のジオラマで有名になった、大宰府展示館が隣接していますので、そこで大宰府万葉集の歴史を勉強しましょう。

 

観世音寺(かんぜおんじ)

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▲講堂
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▲参道

 

大宰府政庁跡のすぐ東にあります。

源氏物語』にも登場する観世音寺は、天智天皇が、母君斉明天皇の冥福を祈るために発願されたもので、746年に完成しました。

かつては、九州の寺院の中心的存在で、たくさんのお堂が立ちならんだ大寺院でしたが、現在は江戸時代初めに再建された講堂と金堂の二堂があるのみです。

しかし、多くの寺宝が観世音寺宝蔵に大切に保管されています。

 

巨大仏像

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馬頭観音立像  出典「講談社 日本の仏像」

観世音寺宝蔵の最大の見所は、丈六(約5m)の巨大仏像です。

不空羂索観音(ふくうけんじゃくかんのん)、馬頭観音(ばとうかんのん)、十一面観音の三体の丈六仏が並び、見る者を圧倒します!

奈良や京都でもめったにお目にかかることができません。一見の価値ありです。

その他にも、丈六坐像や16体の重要文化財の仏像が展示されています。

 

戒壇院(かいだんいん)

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▲本堂
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▲山門

臨済宗のお寺です。観世音寺の隣にあります。

出家者が正式の僧尼となるために必要な戒律を授けるために設置された施設で、奈良時代に鑑真が作りました。

現在では、東大寺戒壇院とここにしかない、歴史的にとても価値のある寺院です。

 

太宰府天満宮

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▲本殿
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▲楼門

天神さま(菅原道真公)をお祀りする全国約12,000社の総本宮です。

「学問・至誠(しせい)・厄除けの神様」として、ご崇敬を集めています。

道真公の御墓所(ごぼしょ)の上にご社殿を造営し、その御神霊(おみたま)を永久にお祀りしています。

年間に約1000万人が訪れます。

 

九州国立博物館

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最後に、日本で4番目にできた国立博物館を紹介します。

太宰府天満宮のすぐ近くにあります。

 

今日のニュースでは、令和効果で観光客がたくさん訪れていました。

仏像界No.1イケメンがトーハクに登場です。

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東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」

東京国立博物館HP

 

3月26日から、東京国立博物館で京都にある東寺の至宝を集めた特別展が始まりました。

ポスターから判る通り、見所は仏像です!

 

京都と言えば東寺

新幹線で京都駅に着くと、駅の南側に大きな五重塔が見えます。そこが東寺です。

五重塔は知っているけど、行ったことがある人は少ないのではないでしょうか。

しかし、仏像ファンにとっては聖地なのです。

 

東寺は796年に平安京の国家鎮護の寺として創建されました。正式名は「八幡山 教王護国寺」です。

823年に嵯峨天皇から空海弘法大師)に管理が任され真言宗の総本山になりました。

 

立体曼荼羅

真言宗曼荼羅が有名ですが、一般的には絵画で表現されます。

空海はそれを三次元で表現してしまいました。それが講堂にある「立体曼荼羅」なのです。

 

15体集結

講堂には21体の仏像が安置されていますが、今回の展示では15体も東京へやって来ました。

中でも、仏像界No.1イケメンの誉れ高い帝釈天がいます。

また、五大明王のうち4体の明王が来ています。

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▲出典 東京国立博物館HP  センターが帝釈天です。

今回の目玉は仏像たちを全方位360°から見られることです。

普段仏像は、講堂の決まられた場所に安置され、参拝者は正面の拝観エリアから拝観します。したがって、エリアから離れた仏像は、小さくてよく見えません。

しかし、博物館ではすぐ近くから全方位で見学できるので、後ろ姿もしっかり見ることができます。

 

空海の書も展示

仏像以外にも様々な寺宝が展示されています。

おすすめは、空海の書「風信帖(ふうしんじょう)」と「両界曼荼羅図」および「十二天図」です。いずれも国宝です。

 

最後に

展示会のポスターを初めて見たときの感想は、「アベンジャーズ だ・・・」でした。

力を合わせ悪を倒すアベンジャーズ 、力を合わせ衆生を救う仏たち。

個性的なメンバーがたくさんいます。

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▲出典「アベンジャーズ エンドゲーム ポスター」

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▲出典「特別展 東寺 HP」

終わりなき神仏欲

 

一生に一度は行きたい日本の古寺100選 (TJMOOK)

一生に一度は行きたい日本の古寺100選 (TJMOOK)

 

日本の神社100選を買ったら、当然古寺100選も買ってしまいました。

有名な十三宗派の総本山・大本山と、それ以外で有名な古寺を紹介しています。

 

わたしは仏像目当てでお寺巡りしているので、宗派は気にしていませんでしたから、とても勉強になります。

 

巻末には、日本の仏教史と宗派の開祖、教えおよび歴史の解説もありますので、読み応えがあります。

(総本山と大本山の違いもわかりました!)

 

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法相宗(はっそうしゅう)大本山 興福寺

 

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黄檗宗(おうばくしゅう)総本山 黄檗萬福寺まんぷくじ)

 

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▲浄土宗大本山 紫雲山 金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)にある五劫思惟(ごこうしいゆ)阿弥陀如来坐像

 

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高野山真言宗総本山 高野山 金剛峯寺(こんごうぶじ)の大塔(たいとう)

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真言宗室生寺派大本山 宀一山(べんいちさん)室生寺(むろうじ)の五重塔

シャクナゲが綺麗です。

 

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律宗総本山 唐招提寺

 

ところで、みなさんは自分の宗派はご存知ですか?以外と知らない人は多いのではないでしょうか。

宗派を知ってそのお寺を巡るのも楽しいと思います。

 

 

果てしなき神仏欲

 

一生に一度は行きたい日本の神社100選 (TJMOOK)

一生に一度は行きたい日本の神社100選 (TJMOOK)

 

最近購入しました。

二十二社と神宮について、その解説とすべての神社が紹介されています。とても勉強になりました。

 

二十二社とは、平安時代に朝廷から特別の奉幣を受けた重要な神社です。京都周辺の畿内に集まっています。

詳しい解説は本をご覧ください。

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大神神社二十二社のひとつ)

 

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▲八坂神社(二十二社のひとつ)

 

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貴船神社二十二社のひとつ)

 

神宮と名のつく神社は、江戸時代以前は3社しかありませんでした。

明治時代以降、天皇と皇祖神をお祀りする特別な神社が神宮を名乗るようになりました。

現在は26社あります。

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伊勢神宮

 

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橿原神宮

 

 

その他にも有名な神社が約50社紹介されています。

行ってみたい、または行ったことがない神社がまだまだたくさんあります。

 

日本には神社が約8.5万社、お寺は約7.7万寺院あるそうです(文部科学省の宗教統計調査より)。

毎日三ヶ所お参りしても、約150年かかります。

 

神仏欲の旅に終わりはありません・・・

 

 

第一代天皇即位の地 〜橿原神宮〜

4月1日に新元号が発表され、5月1日に新天皇が即位されます。

それを記念し、第一代神武天皇が即位した、奈良県橿原市にある橿原神宮(かしはらじんぐう)を参拝しました。

 

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▲外拝殿(げはいでん)

 

創建

創建は1890年と新しいです。

明治時代になって、地元住民からこの地に神宮創建の請願が出され、感銘を受けた明治天皇の勅令によって創建されました。 

御祭神は、神武天皇と皇后の媛蹈韛五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめのみこと)です。

神武天皇は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)より四代目に当たり、正式には「神日本磐余彦火火出見天皇(かむやまといわれひこほほでみのすめらみこと)」です。

 

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▲南神門  門の中央から小さく北神門が見えます。

 

歴史

神武天皇が、豊かで平和な国づくりをめざして、九州高千穂から東に向かい、幾多の苦難を乗り越え、畝傍山(うねびやま)の東南の麓に橿原宮を創建しました。
第一代天皇として即位したのが紀元元年、今からおよそ2,600余年前のことです。

そして、今上天皇は第百二十五代になります。

 

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▲外拝殿と畝傍山

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▲巨大な碑

 

 

アクセス

近鉄橿原線橿原神宮前駅から徒歩約10分です。

駅前のロータリーをまっすぐ突き抜けると、そのまま表参道です。

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橿原神宮前

 

 

最後に

天皇即位を控え祝賀ムードを期待していましたが、それらしき看板や飾りはなく、静かに参拝することができました。

奈良県第2位の初詣客を集めているので、正月三が日はとても賑わっていると思います。

あおによし奈良の興福寺

2018年10月に再建された興福寺の中金堂へ、やっと参拝することができました。

この日は天気も良く、ぽかぽか陽気でした。

 

中金堂

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東西37メートル、南北23メートル、高さ21メートルの大きなお堂です。奈良では東大寺大仏殿に次ぐ大きさです。

境内に入る前から大きな屋根と金色に輝く鴟尾(しび)が見えて来ます。

柱の朱色と窓の青(緑色)のコントラストがとても美しいです。

 

巨大で真新しいお堂ですが、まったく違和感はありません。本来の景観に戻ったので当たり前ですね。

 

お堂の正面に立ち、その場でゆっくり360度回転すると、北円堂や五重塔などの境内のほとんどの建物を見渡すことができ壮観です。

 

 

"青丹よし 奈良の都は咲く花の にほふがごとく今盛りなり"

 

あと、半月もすればこの歌のような風景になります。

 

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釈迦如来坐像

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▲出典「中金堂しおり」

ご本尊は釈迦如来です。5代目の仏像で江戸時代に作られました。

中金堂の再建に合わせて修理され、全身金箔で光り輝いています。

 

 

薬王・薬上菩薩立像(重要文化財

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▲左 薬王菩薩  右 薬上菩薩  出典「講談社 日本の仏像」

脇侍は、薬王・薬上菩薩です。良薬を人々に与え、心身の病気を治した兄弟の菩薩です。

菩薩には珍しく、線が太く男性的な身体つきです。

 

釈迦の脇侍として薬王・薬上を置くのは古式と言われています。日本では、文殊菩薩普賢菩薩を置くことが多いです。

 

鎌倉時代に再建された西金堂に安置されていましたが、1717年に焼失したので、しばらく仮金堂に安置されていました。

中金堂の再建で本尊脇侍として迎えられました。

 

 

四天王像(国宝)

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▲左 増長天  右 持国天

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▲左 多聞天  右 広目天  共に出典「講談社 日本の仏像」

須弥壇を守る四天王は、かつて南円堂に安置されていました。中金堂再建のタイミングで引越しました。

力強くダイナミックな動きが特徴です。

最近の研究により、持国天増長天増長天広目天広目天持国天であることがわかったそうです。

 

 

大黒天立像と厨子入り吉祥天倚像

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▲大黒天

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▲吉祥天  共に出典「中金堂のしおり」

大黒天は鎌倉時代の作品です。打出の小槌を持たない古式スタイルです。東金堂から引越しされたそうです。

 

吉祥天は美と幸運、富と繁栄の女神です。

厨子の扉が閉じたままでしたので、お姿を拝見することができませんでした。

 

どちらも、重要文化財に指定されています。

 

 

御朱印

中金堂の御朱印が加わりました。

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おまけ

ランチは奈良名物の柿の葉寿司を、美味しくいただきました。

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▲「柿の葉すし本舗たなか」の"おすしあらかると" 柿の葉寿司は左上の二貫です。

近鉄奈良駅徒歩1分です!

 

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猿沢池  中央に中金堂の屋根が見えます。

興福寺の魅力

約300年振りに再建された中金堂落慶法要で盛り上がる、興福寺の魅力についてご紹介します。

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▲再建された中金堂  出典「なら旅ネットHP」

 

駅近

近鉄奈良駅から徒歩約10分で着きます。

駅近国宝です。

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近鉄奈良駅前広場

 

鹿に会える

お寺が奈良公園の中にあるので、鹿がたくさんいます。奈良に来たことを実感します。

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国宝仏の宝庫

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▲国宝 阿修羅像 出典 興福寺HP

最大の魅力は、国宝仏がたくさんあることです。

イチバン人気は、国宝館で展示されている阿修羅像です。三面六臂の異形ですが、少年のようなお顔と華奢な体つきが女性たちの心を鷲掴みです。

わたしのお勧めは、北円堂の弥勒如来坐像と無著・世親の三尊像。南円堂の不空羂索観音坐像です。

また、国宝館にいる天燈鬼と龍燈鬼は、とてもユニークでお茶目な仏像です。普通なら四天王に踏まれいる邪鬼ですが、主役をはっています。他に作例がないとても貴重なものです。

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▲左 龍燈鬼像   右 天燈鬼像  出典 興福寺HP

 

国宝仏が見られるのは、国宝館、東金堂、北円堂、南円堂、そして中金堂です。

 

お堂では、五重塔、三重塔、東金堂、北円堂が国宝に指定されています。

 

猿沢池

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お寺の南側にある有名な池です。

池から興福寺を眺めると、木々の向こうに五重塔と南円堂が見えます。奈良を代表する風景のひとつです。

 

ほとりにはベンチがあるので、疲れたらそこで休息できます。奈良名物の柿の葉寿司をほうばりながら、ゆっくり過ごすのもいいと思います。