神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

私の大好仏vol.1 『向源寺 国宝十一面観音立像』

わたしは、仏像が大好きでお寺巡りを始めました。
そこで、わたしの大好きな仏像を紹介し、みなさんにも仏像の魅力を知ってもらいたいと思います。

記念すべき第一回は、滋賀県にある向源寺  国宝十一面観音立像を紹介します。
(ブログのアカウントの写真にも使わせていただいてます)


一目惚れ


初めての出会いはお寺ではなく、東京国立博物館(トーハク)でした。

仏像に興味が出始めた2006年の冬。
東京出張の時、東京駅で偶然見かけた展覧会のポスターに目が釘付けに。
かの十一面観音のアップに一目惚れ!
それは、トーハクで開催される一木彫仏像展のポスターでした。

後日、東京まで展覧会を観に行きました。


東洋のビーナスと呼ばれる美仏



国宝の十一面観音は七体ありますが、わたしのいちばんのお気に入りです。
数ある国宝仏の中で、いちばん美しいと思います。

まず、お顔が綺麗です。
インドの仏像のように、目鼻立ちがハッキリしたお顔です。
エキゾチックな雰囲気が漂います。

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出典 講談社「日本の仏像」    髪飾り、首飾り、イヤリングがおしゃれです。
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出典 「高月町のパンフレット」   頭上にある化仏の細工も素晴らしいです。

そして、美しいプロポーション
右足をわずかに前に出し、軽く膝を曲げた立ち姿はとても魅惑的です。
ウエストもくびれ、まるで女性のようです。
また、指もとても綺麗なんです。
頭上の化仏が他の十一面観音より、かなり大きいのですが、まったく気にならない素晴らしいバランスです。

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出典 講談社「日本の仏像」 
 後姿が更に魅惑的ですが、残念ながら写真がありませんでした。
ぜひ実物で確かめてください。

観音様は女性の仏ではありませんが、女性的な雰囲気を持った像が多いです。
今流行りのジェンダーレスですね。

展覧会では目玉の作品だったので、メイン会場でライトに照らされたお姿を拝見したときは、ハートを射抜かれました。
360度どこから眺めてもため息ばかりでした。
近づいて見ても、細部の細かい細工が素晴らしく、うなってしまいました。


向源寺というお寺


向源寺滋賀県高月町にあります。
十一面観音は渡岸寺観音堂(どうがんじかんのんどう)に安置されています。
展覧会後、再び観音さまに会いに行きました。
観音堂は小さな集落の中にあり、参拝客も多くはありません。
静かな静かな環境の中でゆっくりと観音さまに対峙できる、素晴らしいところです。

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出典 「じゃらんネット」
琵琶湖の東岸に位置する、湖北、湖東地方は数多くの十一面観音が伝来しています。
特に湖北にある高月町は、観音の里として手厚く守っています。
毎年8月になると、観音の里まつりが開催されいるようで、周遊バスが走りいろいろなお寺に行くことができるようです。

琵琶湖の周辺には京都な奈良にも負けない、名刹がたくさんあるので、わたしの大好きな場所のひとつです。