神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

京都洛西の美仏に逢いに行く

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国宝 如意輪観世音菩薩半跏像

出典 講談社「日本の仏像」

 

残暑が残る京都。

(真夏という感じでしたが…)

美しい如意輪観音に会いに行きました。

 

京都市西京区大原野の願徳寺。(正式名  仏華林山 宝菩提院 願徳寺)

 

京都駅からJR京都線で3駅目の向日町駅から阪急の東向日駅に移動しバスに乗る予定でしたが、50分待ちだったのでタクシーで行きました。

駅から西へ10分ほど走り、山あいの小さな集落の中にお寺があります。

京都で一番小さな拝観寺院だそうです。

 

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入口のインターホンで住職を呼び、拝観料とご朱印帳を託し本堂へ。

昭和48年に再建された本堂は鉄筋コンクリート作りです。

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鉄の重い扉を開け、自分で電気をつけて拝観します。

 

拝観者は私ひとりです。

 

 

榧(カヤ)の一木作りの如意輪観世音菩薩半跏像は約1200年前に作られました。

もとは白木の像だったようですが、長い年月を経て全身がいぶし銀のように黒く光っています。

唇が少しへの字で、瞳に黒曜石。

第一印象は少し険しいお顔です。

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出典  講談社「日本の仏像」

この仏像の最大の魅力は、羽織っている衣の衣文(えもん)がダイナミックにうねり、今にも風になびきそうなリアルさにあります。

しかしながら、静かに佇む観音さまの静寂を少しも乱してはいません。

肩から腰、膝、蓮華座に流れる衣文は素晴らしいの一言につきます。

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出典  講談社「日本の仏像」

 

しばらくいろいろな角度から眺めたのち、正面の座布団に胡座をかいて、座禅のような心持ちで対峙しました。

 

 

心を"空"にして。

 

 

 

 

 

黒曜石の黒い瞳に見透かされているような感じですが、それがとても心持ち良い感覚です。

 

 

 

途中、参拝客は一人も来ません。

国宝仏を独り占めです。

何という贅沢な時間でしょう❤︎

 

 30分ほど過ごし、観音さまとお別れしました。

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