戦火を生き延びた名古屋の美仏 〜七寺〜
名古屋市大須にある七寺(ななつでら)で、重要文化財の菩薩像に会ってきました。
▲真言宗智山派の準別格本山です
正式名は「稲園山正覚院長福寺」です。
別格本山とは… 今度調べます。
七寺
735年に創設された歴史あるお寺です。
栄枯盛衰を繰り返し、1611年 徳川家康の命で現在地の名古屋市中区大須に引っ越して来ました。創設から数えて3度目の引っ越しです。
当時は敷地が8000坪もあり、名前の由来になった7つのお堂が建っていました。また、境内には芝居小屋が3軒もあるほど賑わっており、当時は大須観音よりも大きかったそうです。
しかし、明治と大正の区画整理により1/6の大きさになり、第二次世界大戦の空襲で、お堂をひとつだけ残して全て焼けてしまいました。
今では、残ったお堂の周辺を残すのみとなりました。
▲奥がお堂、手前が寺務所です
かつての敷地には、マンションや飲食店が並びます
観音菩薩、勢至菩薩
空襲でほとんどの仏像が焼けてしまいましたが、奇跡的に観音菩薩と勢至菩薩だけが救い出されました。
高さが3mもあった本尊の阿弥陀如来は大きすぎて、運べなかったそうです。
▲勢至菩薩 出典 お寺のチラシ
両菩薩は平安時代末期に製作され、慶派の始祖康慶の作品ではないかと言われています。
私見ですが、整ったお顔と玉眼の目元を見ると、慶派の仏像で間違いないと思います。
▲戦災前の阿弥陀三尊 出典 お寺のチラシ
地元名古屋にもこのような素晴らしい仏像があったことを誇りに思います。
▲御朱印
▲戦火を生き延びた大日如来像。継ぎはぎがお寺の歴史を物語っています