私の大好仏vol.2 東大寺 国宝四天王像
私の大好仏第2弾は、東大寺 国宝四天王像です。
その中から、今回は戒壇堂(かいだんどう)の四天王像を紹介します。
そんな静かなお堂に、四天王像の傑作があります。
眼光鋭い仏像
出典 JR東海
左上 持国天、右上 増長天、左下 多聞天、右下 広目天
この四天王の最大の魅力は、"眼光"です。
多聞天と広目天の鋭い眼差しは、修学旅行の小学生が見たらちびっちゃいます。
特に、広目天は睨むというより、心の奥底、裏側まで見透かすような眼差しです。
これが、約1300年前に作られた彫刻とは信じられないほどの写実性です。
見どころたくさん
四天王は悪い連中から仏の世界を守るため、須弥山(しゅみせん※)の東西南北で睨みをきかせています。
(※)仏教の世界観の中心にある高山
元々はインドの神様なので、インド風の甲冑を着ています。
恐い顔とは裏側に、約160cmのスマートな体なので、華奢に見えます。
指も綺麗なので、少しギャップです。
獣のショルダーパット
甲冑のショルダーパットが獣の顔になっていて、口から腕が出ています。
獅噛(しがみ)といいます。
出典 講談社「日本の仏像」
甲冑がアメフトの防具に見えてきました(笑)
餓鬼
足元を見ると、餓鬼が踏まれています。
顔がゆがんで苦しそうですが、四天王の忠実な部下なので、喜んで踏まれているそうです。
子どものような可愛いお尻ですよ。
四体の餓鬼を見比べるのも楽しいです。
出典 講談社「日本の仏像」
戒壇堂とは
和尚が渡来した頃、僧侶になるには特別な修行はなく、自己申告でよかったようです。
すると、インチキ僧侶がはびこって問題になっていたようです。
下野薬師寺は史跡が残るだけです。
出典 東大寺公式ホームページ
戒壇堂のまわりはひとけがなく、鹿も静かに草を食んでいます。
そんな静かなお堂の中で、四天王の眼差しと向きあってはいかがでしょうか。