神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

京都で初詣 金戒光明寺編

お正月、約3カ月ぶりに京都へ行ったのでその報告です。京阪電車でGO!シリーズで紹介した金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)を訪れました。参拝するのは初めてです。

京阪電車でGO! 仏像巡りの旅 その一 - 神仏欲な日々 

 

浄土宗総本山・くろ谷 金戒光明寺

 f:id:kamibutsuyoku:20170112164004j:image

▲御影堂

浄土宗最初のお寺。開祖法然上人(ほうねんじょうにん)が草庵を結んだ地に建てられました。境内には18の塔頭寺院があるとても大きなお寺です。

幕末には京都守護職会津藩の本陣があったことで有名です。新選組はここで生まれました。

大河ドラマ「八重の桜」の会津藩松平容保(かたもり)役の綾野剛は良かったですよね。

地元の方は"くろ谷さん"と呼んでいるそうです。

f:id:kamibutsuyoku:20170112164152j:image

京都守護職本陣看板

 

文殊菩薩(渡海文殊形式)

f:id:kamibutsuyoku:20170116202158j:image

文殊菩薩  出典 講談社「日本の仏像」

御影堂に安置されています。三重塔にあったのを移したそうです。元は近くにあった中山宝幢寺(ほうどうじ)の本尊です。応仁の乱の兵火により廃寺となりこちらに移されました。なので中山文殊と呼ばれています。

貞享三年(1686)刊の『雍州府誌』には「本朝三文殊の一つなり」とあり、奈良の「安倍の文殊天橋立の「切戸の文殊」と共に信仰を集めていました。

三大文殊には諸説あり、安倍文殊、切戸文殊は固定ですが、第三の文殊は中山の他に山形の亀岡文殊があります。

渡海文殊形式とは、獅子騎乗の文殊菩薩が眷属(けんぞく)として善財童子・優填王(うでんおう)・仏陀波利(ぶつだはり)・最勝老人を従え、海を渡って五台山に向かう姿を表す仏像です。なお、五台山は中国の山西省に実在し、文殊菩薩の聖地です。世界遺産に登録されています。

寺伝では運慶作となっていますが、間近で拝んだ印象と重文指定もないことから、おそらく違うと思います。慶派仏師の作品なのは間違いないと思いますが。

f:id:kamibutsuyoku:20170116202419j:image

▲三重塔

f:id:kamibutsuyoku:20170114215312j:image

▲御朱印 「中山文殊

 

五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏

f:id:kamibutsuyoku:20170114215839j:image

f:id:kamibutsuyoku:20170116204859j:image

通称アフロ仏と呼ばれる、珍しい仏様です。ファンキー髪型とは掛け離れた幼子のような可愛いお顔をしています。伽藍から高台にある三重塔へ向かう階段の脇に佇んでおられます。うっかりすると通り過ぎてしまうので気をつけましょう。

お寺のHPにわかりやすい説明があったので、引用します。

五劫思惟(ごこうしゆい)の阿弥陀仏は、通常の阿弥陀仏と違い頭髪(螺髪(らほつ))がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。

無量寿経」によりますと、阿弥陀仏法蔵菩薩の時、もろもろの衆生を救わんと五劫の間ただひたすら思惟をこらし四十八願をたて、修行をされ阿弥陀仏となられたとあり、五劫思惟された時のお姿をあらわしたものです。
五劫とは時の長さで一劫が五つということです。一劫とは「四十里立方(約160km)の大岩に天女が三年(百年という説もある)に一度舞い降りて羽衣で撫で、その岩が無くなるまでの長い時間」のことで、五劫はさらにその5倍ということになります。そのような気の遠くなるような長い時間、思惟をこらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子を表したのが五劫思惟阿弥陀仏で、全国でも16体ほどしかみられないという珍しいお姿です。
落語の「寿限無寿限無、五劫のすり切れ」はここからきています。

有名なのは東大寺 勧進所 阿弥陀堂の像と奈良 五劫院の像です

あー奈良にしばらく行っていないので、暖かくなったら行きたいなぁ。

f:id:kamibutsuyoku:20170120154034j:image

▲山門

f:id:kamibutsuyoku:20170120154316j:image

阿弥陀堂