空前絶後の超絶大仏師 快慶展
▲出典 図録表紙
奈良国立博物館で4月8日から始まった「特別展 快慶」に行って来ました。鎌倉時代に活躍した慶派の大仏師快慶の仏像を空前絶後の規模で集めた展覧会です。
いてもたってもいられず、開幕初日に行って来ました。雨が降ったり止んだりの天気でしたが、暖かいので多少濡れても気になりませんでした。古都は雨も似合います。
近鉄奈良駅で降り、奈良公園の中にある奈良国立博物館へ徒歩で向かいます。駅からは10分くらいです。奈良公園には鹿と戯れる人がいっぱいでした。桜も満開です。
▲鹿に会うと奈良に来たんだなぁと実感します。
▲奈良国立博物館外観
会場の入口を入ると京都 金剛院の仁王像(桃色⁉︎)がお出迎え。展示は第一章から第七章のエリアに分かれていました。
醍醐寺の弥勒菩薩坐像(重文)
第一章でいきなり私の大好仏、京都醍醐寺 弥勒菩薩が展示されています。
▲宝冠を外した珍しいお姿。出典 図録
▲出典 図録
端正なお顔です。正統派イケメン仏像の代表だと思います。全身に残る金泥(きんでい)と豪華な装飾品のおかげで品の良いゴージャスさも合わせ持ちます。解説には快慶初期の作品と紹介されています。それなのにこの完成度の高さには驚嘆です。
…しかし、展示は4月25日〜6月4日でした。残念ながら私は鑑賞できませんでした。気持ちが先走り調査不足でした。できれば再訪し再会したいと思います。
清水寺奥の院 三面千手観音坐像(重文)
▲図録より
お姿を拝見したときはとても驚き、歓喜しました。滅多に公開されない仏像です。2003年243年振りに公開された秘仏中の秘仏です。その後は2008年の西国三十三所の特別展で公開されただけです(間違っていたらごめんなさい)。ちなみに私は、名古屋市博物館に巡回に来た西国三十三所展で拝観しました。正面、左右に三面、頭上に二十四面、合計二十七面もある特別な千手観音像です。私の知る限り他に作例がないと思います。(知っている方がいればメッセージください) 今回、快慶作なのを初めて知りましたが、なるほどと納得の素晴らしい仏像です。
お顔が凛々しく、金泥も綺麗に残っています。良いお顔をされています。頭頂の化仏がとても印象的です。
高野山の広目天、多聞天、深沙大将、執金剛力士(すべて重文)
▲広目天 出典 博物館で購入したA4サイズのブロマイド
▲出典 図録 赤い塗料がわずかに残っています
大好きな高野山の広目天も展示されていました。 全体のバランスが素晴らしいです。お顔をアップで見ると更に魅力が増します。博物館では気づきませんでしたが、赤い塗料が少し残っています。
▲多聞天 出典 図録
多聞天は弟子に作らせた、快慶の監修作品のようです。
▲深沙大将(じんじゃたいしょう) 出典 図録
▲骸骨のネックレスとお腹に人面⁈
▲膝当ては象の顔です
西遊記の玄奘三蔵が旅の途中、砂漠で一滴の水を得ることができず、息絶えようとしている時、流砂の中より現れて護(まも)ったのが、深沙大将であるといわれています 。
▲執金剛力士像 出典 図録
分身して二体の金剛力士になります。
安阿弥様(あんなみよう)
▲京都 遣迎院(けんごういん) 阿弥陀如来立像(重文)出典 図録
快慶は熱心な阿弥陀信仰者で、作品に「巧匠アン阿弥陀仏」(「アン」は梵字)と銘記しています。晩年は数多くの三尺の阿弥陀如来立像をを製作し、後に安阿弥様(あんなみよう)と呼ばれています。今回の展示では安阿弥様の阿弥陀如来立像がたくさん出陳されています。中でも東大寺と遺迎寺(けんごういん)の像は金泥が綺麗に残ってとても綺麗な像です。
全部を紹介することはできませんが、まだまだ素晴らしい仏像がたくさんありますので、仏像に少しでも興味のある方はぜひGW中に奈良国立博物館を訪れてください。また、市内の数多くのお寺ではこの時期に秘仏公開をしているのでとてもお勧めですよ。
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