私の大好仏 vol.4 不空羂索観音菩薩坐像
私の大好きな仏像を紹介するシリーズの第4弾です。
今回は、奈良興福寺南円堂の本尊
不空羂索(ふくうけんさく)観音菩薩坐像
をご紹介します。
優しいお顔
▲額の真ん中にも目があります。出典「講談社 日本の仏像」
最大の魅力は、ふくよかな優しいお顔です。
鎌倉時代の仏像ですが、保存状態が良く金箔がたくさん残っているので光の具合で輝いて見えます。
参拝者を優しく見守ってくださいます。
目が3つ、腕が8本ある三目八臂の像で、高さが336cmもあります。
四方に国宝の四天王像が御本尊をお守りしています。
参拝客はその回りを歩くことができるので様々な角度の観音様を拝むことができます。
不空羂索とは
不空とは、信じれば必ず願いが叶い空しい思いをさせないという意味です。
羂索とは、古代インドで狩猟や戦闘に使われた捕縛用の縄のことです。そこから、あらゆる人々の悩みを逃がすことなく救済し、願いを叶えるという意味が加わりました。
上の写真の向かって右側の上から3番目の手に羂索が握られています。
慶派の傑作
作者は、鎌倉時代の天才仏師運慶の父である
康慶です。
運慶も製作に関わったかもしれません。
もちろん、国宝です。
お会いできるのは年一回です
南円堂は普段非公開です。
毎年10月17日の大般若経転読会しか開帳していませんので、参拝したい方は気をつけてください。
ただし、特別なイベントで御開帳される場合も結構ありますので、奈良の観光情報サイトなどでチェックしましょう。
(ただ、今年はコロナ禍のため普通の参拝も難しいかもしれません、、、)
西国三十三所第九番札所
南円堂も西国三十三所の札所です。
十番が先のブログで紹介した三室戸寺、八番は奈良の長谷寺です。
▲南円堂
▲御朱印
▲御詠歌
まとめ
- 南円堂の不空羂索観音は優しい仏像です。
- 360度様々な角度で拝観できます。
- 作者は運慶のお父さんの康慶です。
- 公開は毎年10月17日だけですが、特別イベントで公開されることもあるので事前にチェックしましょう。
コロナ禍こそ仏像にお会いして日本や世界のためにお祈りしたいですが、遠出しなければならずなかなか難しいですね。