アニメよりふつーに時代劇が好き♪
今回は寺社仏閣を離れ、大好きな時代劇の傑作を紹介します。
先日wowowで放送され、久しぶりに観て改めてその素晴らしさに感動したので、それを誰かに伝えたくてスマホを取りました。
上意討ち 拝領妻始末
1967年東宝作品。監督小林正樹。出演 三船敏郎、仲代達也、司葉子、加藤剛。
まず、題名にインパクトがあります。時代劇ファンとしてはワクワクする題名です。
「上意討ち」主君の命により罪人等を討つこと。
「拝領」貴人からものをいただくこと。
「始末」物事の初めから終わりまで(の事情)。
あらすじ
会津松平藩馬廻りの三百石藩士・笹原伊三郎(三船敏郎)の家に側用人(そばようにん)高橋外記(たかはしげき)(神山 繁)が訪れます。側用人は藩主の側近です。
藩主の側室いちの方(司 葉子)がお暇をだされたので、笹原家嫡男・与五郎(加藤 剛)の妻として拝領せよとの命です。後で聞いた噂だと、いちは殿様の顔を平手打ちにしたらしいです。
武芸一筋に生きてきた伊三郎は、笹原家に婿養子として入った身で、妻すがの前で忍耐を重ねて暮してきました。それ故、与五郎には幸福な結婚を願っていたため、この話には反対でした。しかし、側用人から上意(主君の命)と念押しされ渋々承知します。
しかし、予想に反しいちは穏やかで気立てが良く、姑の嫌味にも嫌な顔をせず家のことを切り盛りします。与五郎と伊三郎は理想の嫁だととても喜びます。
幸せな日々が1年間半ほど続き、夫婦の間には女の子とみが生まれます。このまま幸せが続くかと思えたある日、藩で重大事が発生します。殿様の世継ぎが病死してしまったのです。
城中は慌てましたが、いちが生んだ男の子がいます。藩はその子を世継ぎに据えますが、世継ぎの生母が家臣の妻では外聞が悪いと、いちを奥へ返上せよと命令が下されます。
そこで、笹原親子がとった行動は…
「たとえ火の雨が降ろうとも」
江戸時代、上意は絶対です。それに逆らえば、お家断絶や切腹になることも。それでも夫婦は、添い遂げたいと上意を固辞します。伊三郎も彼らの真実の愛に心打たれ、味方になります。
そして、与五郎は説得に来た側用人に「たとえ火の雨が降ろうとも応じられぬ」と言い放ちます。
「人生の中で(今が)一番生きている気がする」
それからしばらく、城から音沙汰がなくこのまま沙汰止みかと思われたとき、身内の裏切りで、いちが城に拉致されてしまいます。
怒った笹原親子は、いちを返せ。さもなくば、事の顛末を江戸の幕府へ訴えると書状にしたため、藩と全面対決します。
笹原家に婿入りして以来、悪妻の嫌味に耐えながら肩身の狭い思いで生きてきた伊三郎。藩と親戚たちの不条理な対応に、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまいます。しかし、腹を括った途端伊三郎は、「人生の中で一番生きている気がする」と息子に語ります。
しかし、多勢に無勢。最後は親子3人討たれてしまいます。
殺陣もたっぷり
物語は夫婦愛、家族愛がテーマですが、後半には殺陣もたっぷりあります。
上意討ち部隊と笹原親子の戦い。屋敷に立て籠もるための準備がリアルです。最後は親友であり剣のライバルである浅野帯刀(仲代達矢)との一騎打ちです。浅野は関所を守る役人のため、関所破り討たねばなりません。最後は見応えのある戦いで終わります。
三船と仲代との一騎打ちといえば、映画「椿三十郎」を思い出します。個人的に映画史上最高の戦いだと思っています。こちらも、是非観て欲しい時代劇です。
ジブリアニメや君の名は。も良い作品ですが、スター・ウォーズがとても影響を受けた時代劇を今こそ見直して欲しいです。