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神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

大仏師 運慶の傑作紹介 その1

9月に東京国立博物館で「運慶展」が開催されます。それを記念し勝手にコラボ企画、私が好きな運慶の傑作をご紹介します。

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▲出典 展覧会ポスター

日本彫刻史上の最高傑作のひとつ 国宝  無著・世親(むちゃく・せしん)立像

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▲出典「講談社 日本の仏像」右が無著像、左が世親像

奈良興福寺の国宝 北円堂に安置されています。北インドの高僧、無著と世親の兄弟像で、国宝弥勒如来坐像(運慶作)の脇侍です。運慶晩年の傑作です。

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▲無著像  出典「講談社 日本の仏像」

瞳をご覧ください。今にも涙が溢れそうなうるみがあります。「玉眼」といって水晶の板に瞳を描き、眼にはめたものです。そのリアルさに圧倒されます。彫刻なのにこのような表現はおかしいのですが、遠くを見つめるような表情は何を思うのでしょうか。約八百年の人々の祈りにより、まるで魂が宿っているようです。

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 ▲世親像  出典「講談社 日本の仏像」

一方、弟の世親は厳しい表情をしています。衆生を救うため数多の困難にも立ち向かおうとする、意志の強さを感じます。

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▲本尊の国宝 弥勒如来座像です。こちらも運慶作です。出典「講談社 日本の仏像」

興福寺の北円堂は普段未公開ですが、春と秋に特別公開します。ぜひ、ご覧ください。

 

国宝 大日如来坐像

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▲出典「講談社 日本の仏像」

大日如来奈良市忍辱山町にある忍辱山円成寺(にんにくせん えんじょうじ)の多宝塔に安置されています。こちらは、運慶の若き日の傑作です。

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▲出典「講談社 日本の仏像」

無著・世親像と比べると、表情が精悍で体つきに張りがありとても若々しい像です。若き日の運慶の意気込みを感じます。

大日如来密教における根本仏です。如来でありながら、宝冠、瓔珞、臂釧、腕釧を身に着け、一種の王者の姿をとっています。それらの細工は緻密かつ精巧で、像全体に華やかさを添えています。

円成寺奈良駅からバスで約30分ほどののどかな里山にあります。柳生の里の近くです。

  

国宝 毘沙門天(びしゃもんてん)立像、不動明王立像

二つの像は静岡県伊豆の国市にある願成就院(がんじょうじゅいん)に安置されています。2013年国宝に格上げされました。先に紹介した像とはうって変わって、勇ましい表情と憤怒相の仏像です。

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毘沙門天立像 出典「講談社 日本の仏像」

ふくよかなお顔は力士のようです。甲冑を着たがっちりとした体躯は漢を感じます。大きな目に睨まれたら悪者も退散するでしょう。鎌倉時代の侍たちが好みそうな姿です。

毘沙門天は四天王の多聞天(たもんてん)がソロで活動するときの別名です。七福神としても活躍しています。須弥山ではとても人気のある守護神です。

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不動明王立像 出典「講談社 日本の仏像」

一方、不動明王は怒りの表情がとても見事です。おばさんパーマのような髪型はご愛嬌です。左に制咜迦童子(せいたかどうじ)、右に矜羯羅童子(こんがらどうじ)の脇侍がいます。写真では分かりにくいですが、制咜迦の表情は秀逸です。誰かにガンを飛ばしています。やんちゃ坊主とおとなしい風船を持った女の子を連れたおばさんに見えてきます。

 

次回は、ついに開幕した!快慶展に行って来たのでそのレポートをします