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神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

阿修羅とその仲間たちの群像展

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▲国宝 阿修羅像 出典「雑誌 一個人」

興福寺 天平乾漆群像展

奈良国立博物館をたっぷり堪能した後は、興福寺に向かいます。『興福寺国宝特別公開2017 阿修羅 -天平乾漆群像展- 』を観るためです。乾漆(かんしつ)像とは漆を特殊な技法で粘土のように固めて作った仏像のことです。

国宝館耐震工事に伴い、ふだん非公開の仮講堂で阿修羅像をはじめ八部衆十大弟子金剛力士など国宝館の主要な国宝を公開しています。

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▲仮講堂 すぐ隣りでは中金堂を再建中です。

普段は国宝館にいる仏像界のスーパースター、興福寺の阿修羅像がお堂に安置されるとても貴重な展示です。2009年の「お堂で観る阿修羅展」以来約8年振りです。

8年前も拝観しましたが、そのときは阿修羅ブーム真っ只中で行列の待ち時間が210分もあったそうです。(自分が何分待ったか忘れましたが(笑))しかし、今回は約10分で拝観できました。阿修羅ブームも落ち着きましたね。

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▲出典「雑誌 芸術新潮

永遠の少年

お堂に入ると国宝、重文の仏像がズラリと並んでいます。その中で阿修羅像は特別な存在感があります。三面六臂という異形に目が止まり、少年のようなお顔立ちと華奢な体に心を奪われます。

阿修羅像で画像検索すると興福寺の阿修羅かそれ似たものしか出てこないので、それが主流だと勘違いしている人が多いかもしれませんが、そうではありません。阿修羅は戦いの神です。"修羅場"というのは阿修羅のすざましい戦いの様子が語源の言葉です。釈迦と出会い仏教に帰依して守護神となりますが、牙をむき出した怖いお顔が本来の姿です。

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▲出典「北野天満宮蔵 北野天神縁起絵巻」

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▲右が阿修羅です。出典 「新知恩院蔵 六道絵」滋賀県琵琶湖文化館写真提供

 なぜ、興福寺の阿修羅像は少年のようなんでしょう。しかも、美顔で何とも言えない複雑な表情をされています。怒っているのか、悲しんでいるのか、耐え忍んでいるのか、観る人により感じかたは様々だと思います。しかも、左右のお顔も美顔で何とも言えない表情をしています。それが最大の魅力となり女性のハートをがっちりつかんだのでしょう。私もその一人です。しかし、つかまれたのはブームのかなり前ですが。

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▲正面 夏目雅子に似ているといううわさがあります。出典「講談社 日本の仏像」

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▲左面 向井 理似? 出典「講談社 日本の仏像」

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▲右面 軽く唇を噛んでいます。なぜでしょう。出典「講談社日本の仏像」

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▲背後 見事です。まったく違和感がありません。出典「講談社日本の仏像」

小学校の修学旅行で初めて阿修羅像に会ってから何十年も経ちます。阿修羅を追い越し私はすっかりおじさんになりましたが、阿修羅は少年のままです。約1300年前に作られたのに、歳をとらない阿修羅は永遠の少年です。

 

国宝 八部衆(はちぶしゅう)立像

阿修羅は八部衆に属しています。八部衆はインドの神々が仏教にとりこまれて守護神となりました。仲間には迦楼羅(かるら)、五部浄(ごぶじょう)、ヒ婆迦羅(ひばから)、沙カ羅(さから)、緊那羅(きんなら)、鳩槃茶(くばんだ)、乾闥婆(けんだつば)がいます。

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迦楼羅 インドの神ガルーダ、鳥の頭をしています。出典「講談社日本の仏像」

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▲五部浄 頭に象の冠です。少年のような顔立ちです。出典「雑誌 芸術新潮

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▲沙カ羅 頭に蛇がいます。可愛いお顔です。出典「講談社日本の仏像」

 

国宝 十大弟子立像

釈迦の弟子の中で特に優れた10人です。大迦葉(だいかしょう)、阿那律(あなりつ)、◯富楼那(ふるな)、◯迦旃延(かせんえん)、優婆離(うばり)、◯羅睺羅(らごら)、◯舎利弗(しゃりほつ)、◯目犍連(もくけんれん)、阿難陀(あなんだ)、◯須菩提(すぼだい)です。◯印が興福寺に残された6体です。

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須菩提 赤ちゃんのようなお顔です。出典「芸術新潮

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▲仮講堂内の仏像配置図

全部で26体の仏像が展示されています。そのうち、国宝が19体重文が7体です。何とも豪華な陣容です。

展示は、3月15日(水)~6月18日(日)、9月15日(金)~11月19日(日)です。まだまだ、間に合います。ぜひ、お堂で阿修羅を拝観してください。