神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

京阪電車でGO! 仏像巡りの旅 その三

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出典 講談社「日本の仏像」

京都の京阪電車沿線の、おすすめのお寺と仏像を紹介するシリーズ第3弾です。

 

七条駅

第2弾で紹介した清水五条駅の次の駅です。

ここで紹介するのは、もちろん三十三間堂です。

東寺と並び仏像マニアの聖地です。

 

蓮華王院三十三間堂

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正式名は、蓮華王院で、その本堂が「三十三間堂」と通称されています。
後白河上皇のために平清盛が資金提供して建立されました。
「三十三」という数は、観音菩薩の変化身三十三身にもとづく数を表しています。
お寺へ行って三十三の数字を見かけたら、観音様が祀られていると思って間違いありません。


お堂に入ってまず見ていただきたいのが、風神・雷神像と二十八部衆です。30体すべてが国宝です。

(清水寺で紹介した、二十八部衆と同じです)

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国宝 風神像・雷神像

 出典 講談社「日本の仏像」


千体千手観音立像の前面に立ち、仏様を護っています。
その多くは、古代インドに起源をもつ神々で、千手観音の眷属(けんぞく)として仏教とその信者を守るとされます。
天衣の女神や甲冑をつけた神将、鳥の顔したもの、動物や楽器を執るものなど変化に富んでいます。
また、筋肉、血管、骨格がリアルに表現されており、今にも動き出しそうです。

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国宝 迦楼羅王(かるらおう)

サンスクリット語のガルーダの音訳で、どう猛な取りを神格化したもの

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国宝 難陀竜王(なんだりゅうおう)

蛇を意味したナーガは中国では竜(王)と訳す。

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 国宝 大弁功徳天(だいべんくどくてん)

仏教では吉祥天(きっしょうてん)として取り入れられ、毘沙門天の妻ともされている。

出典 講談社「日本の仏像」

あの阿修羅も二十八部衆の中にいます。

奈良興福寺の阿修羅像とは違い、筋肉が盛り上がり怖い顔をしています。

こちらが本来の"戦闘神"の姿を現した阿修羅像です。

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国宝 阿修羅王  出典 講談社「日本の仏像」

古代インドでは帝釈天と絶えず闘争する戦闘神であった。

 

本尊は「国宝 千手観音坐像」です。

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出典 講談社「日本の仏像」

鎌倉時代の大仏師湛慶(たんけい、運慶のお父さん)の作品です。
左右を合計千体の千手観音と二十八部衆に護られ、お堂の中央に鎮座されています。
坐像なのに約3mの高さがあり、間近で見るとかなり迫力があります。

慶派の仏像らしくお顔が端正で、キリッとしています。
宝飾も豪華で華やかです。42手の持物も丁寧に造られています。

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▲御朱印 「大悲殿」

大悲とは観音菩薩の別名で、菩薩の広大な慈悲の心を表す。つまり、大悲殿と観音菩薩が安置されている建物のこと。


おまけ・・・

 

智積院

真言宗智山派総本山智積院(ちしゃくいん)

長谷川等伯の「国宝 楓図」、その息子長谷川久蔵「国宝 桜図」は必見です。

三十三間堂から歩いて5分ほどなので、ぜひ立ち寄ってください。

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国宝 楓図  出典 週刊朝日百科「国宝の美」

 

養源院

三十三間堂のすぐお隣です。

豊臣秀吉の側室茶々(淀姫)が、父・浅井長政を追善供養のため、21回忌法要の時(文禄3年・1594年)に創建したお寺です。

ここには、俵屋宗達の「重文 白象図」「重文 唐獅子図」があり、こちらも必見です。

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重文 白象図  出典 講談社「日本の仏像」

俵屋宗達と言えば、「国宝 風神雷神図」が有名です。

祇園にある建仁寺が所蔵しています。

 

京都国立博物館

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三十三間堂の目の前にあります。

1897年(明治30年)5月に開館しました。

博物館の本館は片山東熊(かたやま とうくま)の設計になる煉瓦造平屋建て、フレンチルネサンス様式です。

当時のままの姿で今だに博物館として使用されています。

この建物を見るだけでも価値があります。

 

次回は東福寺で途中下車します。