神仏欲な日々

神仏欲(しんぶつよく)とは、神社とお寺のことが好きでたまらない、愛欲のこと。

御寺(みてら)と呼ばれる皇室にとってとても大切なお寺 〜泉涌寺〜

令和となり、皇室ゆかりの寺社に関心が集まっているように感じます。

そこで、今回は皇室の菩提寺である京都の泉涌寺に参拝しました。

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由緒

855年に仙遊寺という名で草創されましたが、お寺が開山と仰ぐ月輪大師・俊芿(がちりんだいし・しゅんじょう)が、1226年に大伽藍を完成させました。

その時、寺地の一画から泉が湧いたので、「泉涌寺」と名前を改めました。

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▲出展 泉涌寺HP

 

鎌倉時代に皇室と武家から深く帰依され、1242年の正月には四条天皇の葬儀を行うまでに発展しました。

その後、南北朝安土桃山時代の諸天皇、江戸時代に後陽成天皇から孝明天皇に至る歴代天皇・皇后の御葬儀を行なったことから、皇室の菩提寺として、長く篤い信仰を集めることとなったのが「御寺(みてら)」と呼ばれる所以です。

 

楊貴妃観音

入口にあたる大門のすぐ左手に、楊貴妃観音堂と呼ばれる小さなお堂があります。

その中に、世界三大美人のひとりの楊貴妃に似ていると言われる観音様が安置されています。

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▲出展 泉涌寺HPより

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観音堂

中国の南宋から請来した仏像です。

その美しさから、玄宗皇帝が亡き楊貴妃の冥福を祈って造顕された像との伝承を生み、楊貴妃観音と呼ばれてきたそうです。

 

仏殿

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大門をくぐると目の前に現れます。

江戸時代に再建された国の重要文化財です。

仏殿内陣には運慶作と伝える阿弥陀・釈迦・弥勒の三尊仏が安置され、過去・現在・未来の三世にわたって人類の平安と幸福を祈っています。

このような配置の三尊仏はとても珍しいので、一見の価値があります。

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▲出展 泉涌寺HPより

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仏殿の隣には舎利殿があります。残念ながら中は非公開です。

 

御座所と庭園

御座所は天皇皇后が来寺した際に休息所として使用されている建物です。

平成天皇も数回滞在されたそうです。

建物と庭園は普段非公開ですが、運良く公開されていました。

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月輪山の森を借景とした素敵な庭園です。

 

御朱印

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霊明殿とは歴代天皇皇后の尊牌(位牌)を安置している建物です。昭和天皇の御尊牌もあります。

 

泉涌寺は現在でも皇室にとってとても大切なお寺ですので、みなさんもぜひ参拝なさってください。