花の寺、珍しい薬師如来
重文 薬師如来坐像
出典 講談社「日本の仏像」
花の寺 勝持寺は願徳寺のすぐ隣りにあります。
歩いて1,2分です。
▲阿弥陀堂
正式名は小塩山 大原院 勝持寺です。
白鳳八年(西暦679年)、役行者(えんのぎょうじゃ)が創建したのが始まりです。
西行法師がこの寺で出家したのがきっかけで、花の寺と呼ばれています。
鳥羽上皇に仕えていた北面の士 佐藤義清(さとうのりきよ)が、当寺に於て出家し西行と名を改めて庵を結び、一株の桜を植えて吟愛しておりました。世人はその桜を西行桜と称し、寺を花の寺と呼ぶようになりました。
(出典 勝持寺HP)
▲西行桜
西行は歌人としてとても有名ですが、イケメンのプレイボーイとしてブイブイ言わせていたらしいです。
本尊は薬師如来ですが、珍しい印を結んでいるので拝観させていただきました。
ここでも参拝者はわたし一人です。
仏像は瑠璃光殿に安置されています。
中に入ると、薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、十二神将のRKJ48グループ(※)が勢揃いです。
15体を勢揃いで展示しているのは、かなり珍しいと思います。
薬師如来は鎌倉時代に作られ、重要文化財に指定されています。
左手の薬壷から右手で薬を摘み取る珍しいお姿です。
※RKJの詳細はこちら→http://kamibutsuyoku.hatenablog.com/entry/2015/07/04/092943
さらに、仁王門から移した巨大な金剛力士像が両脇を飾ります。
金剛力士像
出典 講談社「日本の仏像」
▲御朱印
京都洛西の美仏に逢いに行く
国宝 如意輪観世音菩薩半跏像
出典 講談社「日本の仏像」
残暑が残る京都。
(真夏という感じでしたが…)
美しい如意輪観音に会いに行きました。
京都市西京区大原野の願徳寺。(正式名 仏華林山 宝菩提院 願徳寺)
京都駅からJR京都線で3駅目の向日町駅から阪急の東向日駅に移動しバスに乗る予定でしたが、50分待ちだったのでタクシーで行きました。
駅から西へ10分ほど走り、山あいの小さな集落の中にお寺があります。
京都で一番小さな拝観寺院だそうです。
入口のインターホンで住職を呼び、拝観料とご朱印帳を託し本堂へ。
昭和48年に再建された本堂は鉄筋コンクリート作りです。
鉄の重い扉を開け、自分で電気をつけて拝観します。
拝観者は私ひとりです。
榧(カヤ)の一木作りの如意輪観世音菩薩半跏像は約1200年前に作られました。
もとは白木の像だったようですが、長い年月を経て全身がいぶし銀のように黒く光っています。
唇が少しへの字で、瞳に黒曜石。
第一印象は少し険しいお顔です。
出典 講談社「日本の仏像」
この仏像の最大の魅力は、羽織っている衣の衣文(えもん)がダイナミックにうねり、今にも風になびきそうなリアルさにあります。
しかしながら、静かに佇む観音さまの静寂を少しも乱してはいません。
肩から腰、膝、蓮華座に流れる衣文は素晴らしいの一言につきます。
出典 講談社「日本の仏像」
しばらくいろいろな角度から眺めたのち、正面の座布団に胡座をかいて、座禅のような心持ちで対峙しました。
心を"空"にして。
黒曜石の黒い瞳に見透かされているような感じですが、それがとても心持ち良い感覚です。
途中、参拝客は一人も来ません。
国宝仏を独り占めです。
何という贅沢な時間でしょう❤︎
30分ほど過ごし、観音さまとお別れしました。
私の大好仏vol.3 平等院 阿弥陀如来座像
大好仏3回目に紹介するのは、宇治平等院の国宝阿弥陀如来座像です。
出典 平等院HP
定朝式阿弥陀如来
有名な鳳凰堂に安置されています。
その当時絶大な人気を誇っていた定朝。
彼の作った阿弥陀如来は仏像の理想とされ、真似をした像がたくさん作られたそうです。
それらは「定朝式」と呼ばれています。
ただし、定朝の作品として現在まで残っているのは、平等院の阿弥陀如来だけです。
鳳凰堂内部は一日数回案内ツアーがあるので、中に入ることができます。
15分くらいのツアーです。
案内嬢がお堂と仏像について説明してくれます。説明が終わりお堂の中を見学してしばらくすると、他の参拝客の方はお堂から出て行きます。
そこから制限時間いっぱいまでが、わたしのゴールデンタイムなのです。
ほんの2,3分だけですが、お堂の中はわたしと案内嬢と阿弥陀さまだけになります。
国宝のお堂の中で国宝仏を独り占めできるなんて、まさに極楽浄土にいる心地です。
阿弥陀さまは、死んだときお迎えに来てくださりますが(来迎)、この2,3分は言うなれば「来迎タイム(ライゴウン・タイム)」です。
もしくは、臨死体験?(笑)
雲中供養菩薩
お堂の壁面には、52躯の雲中供養菩薩が飾られています。
来迎のときのお供の方々です。こちらも国宝です。
よく見ると、歌ったり、踊ったり、楽器を奏でたりしています。
出典 平等院HP
お堂の中では薄暗くて見にくいですが、平等院ミュージアム鳳翔館に数躯展示されています。
約30cmの小さな仏像ですが、細かいところまで丁寧な細工が施され、今にも動きだしそうです。
家の中に飾りたいです。
鳳凰堂と庭園
出典 平等院HP
平等院は極楽浄土をイメージして作られた庭園の池にある中島に建っています。
池の対岸から鳳凰堂を望むと、本当に美しいお堂だなぁと思います。
屋根の上には2対の鳳凰が金色に輝いています。
出典 一万円札
私の大好仏vol.2 東大寺 国宝四天王像
私の大好仏第2弾は、東大寺 国宝四天王像です。
眼光鋭い仏像
出典 JR東海
左上 持国天、右上 増長天、左下 多聞天、右下 広目天
この四天王の最大の魅力は、"眼光"です。
見どころたくさん
出典 講談社「日本の仏像」
出典 講談社「日本の仏像」
戒壇堂とは
出典 東大寺公式ホームページ
私の大好仏vol.1 『向源寺 国宝十一面観音立像』
一目惚れ
東洋のビーナスと呼ばれる美仏
出典 講談社「日本の仏像」 髪飾り、首飾り、イヤリングがおしゃれです。
出典 「高月町のパンフレット」 頭上にある化仏の細工も素晴らしいです。
出典 講談社「日本の仏像」後姿が更に魅惑的ですが、残念ながら写真がありませんでした。
向源寺というお寺
出典 「じゃらんネット」